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北アルプス国際芸術祭「ひみつの森」作品案内


麻倉美術部6人の作家による「ひみつの森」作品案内  *ネタバレ注意

 

「ひみつの森」The Secret  Forest.             

                  麻倉美術部 ASAGURA ART LAB



信濃大町で暮らす私たちにとって水も土も森もとても身近なものです。
「つくること」を夢中になって楽しむ麻倉美術部が6人が作りました。
雨があがって風が流れ、森に光が満ちてくる。
自然物や身近な素材から生まれた北アルプスの精霊たちがゆっくりと踊りはじめる。
日常と非日常の境ってなんだろう。ひみつの入り口はどこにでもある。
鳥や虫や獣たちが生き生きと交歓するひみつの森に、今日も森ピアノの音が響いています。




渡部泰輔

2階への階段を上ると朝のやさしい光の中に楽しそうに浮かぶ大きな女の子に出会った。
気持ちよさそうに空を舞っているようだ。
ちょっと昔の日本、どこででも見かけた元気に泥んこになって野原を駆け回る少女をイメージした。名前は麻倉のアーちゃん。アートのアーでもある。
アーちゃんは宿題なんてほったらかしでカバンをぶん投げると友だちと蝶々やカエル、小鳥やうさぎと戯れ魚と遊び花を摘みカラスが鳴く頃うちに帰る毎日。
ご飯をたくさん食べたらもう眠くなって布団の中。
夢をたくさん見ているともう朝だよとお母さんの声が。ウ〜ねむたいヨ〜 

私の作品は大町の川であったり山であったり湖などで集めた素材、ダンボールや紙といった廃品であったりから成り立っています。流木や石、砂、粘土、ひん曲がった鉄骨。竹やツルや枝、切り株、木の実。廃材、トタンなど家の周りで朽ちゆくものなどもなかなか小さな歴史を感じる素材です。そんな素材たちとの会話は作品を作る上での大きな楽しみ。大町という豊かな自然に恵まれた場所だからこそできることかもしれませんが、日常的な山や川や湖での「フィールドワーク=遊び」で集まる素材たちが私の作品を育ててくれている気がします。




田中あずみ

春、倒れた木々や土から植物が一斉に芽を出しました。
眠っていたスケッチの少女も踊りだし動き出していきます、
私は自然の大きな流れの中に立っていて、
あたたかい方へ再生していく森をイメージしました。
ひみつの森に入り、ただただ好奇心のおもむくままに、
美麻の土と小谷の土と森から集めたもので作りました。
6人それぞれから作られていくものが、一つの空間になってゆく過程はとても面白かったです。

ひみつの森に音が生まれて訪れた人の中で森が広がっていって欲しいなと思っています。






渡部朱美

どこにも出かけられない、人とも会えない、
という今までなかったこの世になって「誰かに届ける」ということについて考えた。
届けたいものは何?夢中になって作った。
制限がかかると眠っていた別の部分が動き出す。それが突然変異となって進化していくとしたら、未来を見てみたいな。
大きいものと小さいものの世界ってものの単位が全く違う。
コロナっていう、ものすごく小さい単位のものがこの世界を脅かす。
地球はいろんなサイズの生きものが住んでいる、小さな星。
とても愛しくて、奇跡みたいな今を大切にするよ。
寝っ転がって天の川を見た。
ちかって光ってゆれるのは、森の木漏れ日。

素材:たんぽぽ 綿毛 届ける 銀河 80年代anan PLAYBOY Olive
森の木漏れ日 女子の必需品 羊毛 鏡 

美術もライブ!6人のセッション×みんなの粘土の生きものライブ真っ最中!




 

曽根原香里

森の奥には、命の生まれる森のへそがある。

そこからいろんな命が生みだされていくひみつのへそ。

生まれた命は樹々の間を漂って、生きてくところへ散って行く。

どんな命になるのかな。

ふわふわ見え隠れ。






せきやはなこ

静かにじっと
土の上に暮らしてきたある日
跳ねまわったり
お空を飛んだ葉っぱたち。
きのこはくるくる
ぽっかりと踊るくらげになって
みんな夢がかなった
うれしいね


青木湖のプランクトンといっしょに
葉肉をとかす実験からはじめ、
落ちている葉や、きのこ。
土からうまれた生きものたちを作りました。
小熊山なんかをふらふらと歩いて
ツルや根っこを集めていると、
巣をつくる鳥になったみたいでたのしい気持ちになりました。
森のゆらゆらや、
うっすらした雰囲気がつたわったら嬉しいです。

わたしたちの描いたひみつの森は、
寝る前によみきかせてもらった絵本のような世界ではなくて
裸足で走りまわってどろんこになっていた、
あの日のことなんだなあと思いました。






大木じゅんこ

かたち作る素材。山や森に行ってわけてもらってくる。
苔むした森の中。山の土の匂い。鳥の声。風。雨。陽ざし。
全部混ぜて編んでくっつけてペタペタやって、作ることが楽しかった。
木や土や森と近づけた感覚。
山から掘ってきた粘土と仲良くなれた。
山から掘ってきた粘土は地球。地球のおうち。
森の土のおうちは、ほっと安らげるわたしの空間。
そこから何かうまれるような。

素材:つる、枝、流木、藁、粘土、苔、綿、瓶、和紙、段ボール、新聞紙、

ひとりじゃあ、できなかったなぁ〜。みんなに元気をもらって作っていられたよ。
情熱って伝染する!

一生懸命何かを作るって、誰でも、どんなときでも、楽しいんだと思う。
どんな素敵なもの、どんな可愛いもの、作ろ〜っていう気持ち、
いくつになっても忘れないでいこう!!!ちょっとだけ大変な作業であるけどね。






 





大町周辺の大人たちと子どもたちのみなさん

ひみつの森の中に作ったものに使っている、土も木も種も葉っぱも藁も蔓もみんな大町の山や野原や森でもらってきたものです。
ひみつの森に集まってきた大きな女の子の下にいる、小さい生きものや精霊たちは、美麻で掘ってきた粘土に地元の新聞を混ぜ込んだ手作りの紙粘土で、大人や子どもみんなに作ってもらいました。


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よく現代アートの見方がわからない、とか、作品の説明を求められることがあります。それは、もしその場に作家がいたら、聞いたらいいことなのかもしれないけど、そもそも、美術で何かを表現している人たちは、言葉で言えない表現方法で表しているとも言えます。それを説明してしまうのは、野暮なのかもしれません。ただ、聞いたらおもしろいこともたくさんあります。

私たちは、ひみつの森の空間を、言葉で説明してしまうのは何か違う、と思ったので、その場の作品ごとに言葉で説明していません。それは、言葉で言わない方がかえって見る人の想像力が広がると思うからです。作品は、見る人の数だけ、見方や感想があって、それはどれも、正解とか不正解とかなくて、見る人がただオリジナルに感じることで、その作品は初めて完成。となるのかもしれません。どうぞ、わかるとかわからない、という感覚は捨ててしまって、ただ、楽しんでみてください。思いがけない、自分だけの秘密に出会うかもしれません。

さて、そんな話をひみつの森を作った6人でしたところ、説明やコンセプトを書いた方が良いと思う人、やっぱりそれは書かない方が良いと思う人、いろいろでした。
なので、それぞれの考えで、補足させてもらいました。
6人の書き方も自由。読む、読まない、も自由です。


ひみつの森へ、お越しくださりありがとうございます。

感想などお待ちしています!




ひみつの入り口

 

 

http://asagura.com/himitsumori/


 






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